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税金についての質問についてお答えいたします。これからも、随時更新いたしますので、質問のある方は「アクセス」のメールフォームよりどしどしお寄せください。 |
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結論から先にいいますと、法律上はテ−プによる録音を禁止する法律はなく、録音は可能です。しかし実務上では、調査官が礼儀正しくマナ−を守っている限りにおいては、録音は控えることをお勧めいたします。何の理由もなく録音をするのはけんか腰に近く、エチケットに反するからです。
税務調査の様子をテ−プで録音したい、という納税者の気持ちは、違法な調査や調査官の高圧的言動を未然に防止するために、正当な権利であることは否定できません。しかし税務当局は、従来から、調査現場のテ−プによる録音は認めない、という方針をとってきました。その理屈は、録音により調査の内容が外部に漏れた場合、調査官の守秘義務の問題が生じる、というものですが、守秘義務とは調査官が調査の内容を外部にもらしてはいけない、という内容ですので、苦しまぎれのこじつけにすぎません。しかし調査官は、実際に録音されていることを知るとその中止を求め、聞き入れられないと調査を中止して帰ってしまうこともあるのです。帰るのは調査官の自由ですが、逆に「会社が調査を拒否した」といいがかりをつけ、青色申告の取消し・推計課税という脅しをかけてくる人すらいました。
ところが、2000年2月25日の京都地裁判例(青色申告を取り消された個人事業者が、その税務署の取消処分の取り消しを求めた裁判で、納税者全面勝訴の確定判決)では、「違法な調査を受けた原告が、…(中略)…再度違法な調査がなされないようするため、第三者の立ち会いを要求し、調査の様子を撮影・録音することにやむを得ない面がある」と判示し、録音や撮影を認めました。アメリカでは、アメリカ内国歳入庁の文書により、事前に書面通知したうえで、納税者が調査現場を録音することを認めております。日本でもいずれそうなるでしょう。
なお、実務上では、法人税の調査官はごく一部を除いて、そのほとんどがマナ−を心得ており、調査官の高圧的言動により社長さんを怒らせたり、人権無視の違法調査をすることはまずあり得ないでしょう。ほとんどの調査官は、会社にとって自分が招かざる客であることを知っており、言動には気をつけているようですし、教育も受けているからです。(但し調査内容については、厳しくあら探しをしてきます。)また、法人税部門は税務署内ではエリ−ト部門とされており、所得税部門や資産税(相続税と譲渡所得税)部門と比較すれば、例外はありますが平均すれば優秀な人材が集められています。所得税や相続税の調査官のごく一部のように、高圧的に脅しをかけて納税者に譲歩させよう、などという低レベルの人はほとんどいません。
したがって、調査官が礼儀を守っている場合には、こちらも礼儀を守り、はじめから敵視はせず、けんか腰とも取られかねない録音は慎むことをお勧めいたします。(調査官が紳士的であっても、調査の応対については十分注意し、くれぐれも相手に乗せられたり、油断して余計なことをしゃべらないこと。ソフトな調査官の方が手ごわいのです。)なお、万一権力意識を笠に着た調査官が来た場合に備えて、テ−プレコ−ダ−を用意することはお勧めします。ただ、調査官がマナ−を守っている限り、録音機はしまっておき、作動させないのがこちらのマナ−です。 |
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